こんにちは、元木です。
今日は「気密」についてお話をしたいと思います。快適な暮らし、健康な毎日の生活には、優れた気密性はとても重要です。
気密が良い家とは?
気密が良い家とはどんな家か?
一言でいうと「隙間が無い家」まさに魔法瓶の様な家です。
家を建てるには、床、柱、壁、窓など建築資材を組み合わせて造り上げていきます。
資材の継ぎ目にはどうしても隙間ができてしまいますが、その継ぎ目による隙間を極力ゼロに近づけ、空気の出入りを少ない家こそ、気密がとれた家といえます。
隙間がある(気密がとれていない)とどうなるか。
●夏場…外から暑い空気が中に入り、エアコンなどの冷たい空気は外に逃げてしまう
●冬場…外から冷たい空気が中に入り、暖房の暖かい空気は外へ逃げていく
こんなアンバランスが起きてしまいます。
理にかなった、先人の知恵
余談ですが…。
その昔、日本家屋は土間や土壁があり、屋根には茅葺や瓦が使用されていました。
梅雨の時期の湿気を土壁や茅葺が吸収し、暑い夏に徐々にその水分を放出させ、春夏秋冬の四季がある日本の「暑い夏」を過ごしやすくする、とても理にかなった先人たちの知恵が詰め込まれた家づくりの手法です。ただ、土壁も茅葺も穴だらけです。
夏には涼しい隙間風でも、冬場快適だったか?というと…そうではなかったはずです。
やがて「冬」を快適にするために「断熱をする」という考えが生まれ、断熱性能と共に気密性能も追求されうようになり、今に至ります。
気密性能を表す、C値
さて、話を戻しますが、
「気密」の性能は、床面積当たりどれくらいの隙間があるかを示す「C値」で表され、
数値が小さいほど気密性が高いことを意味します。
住宅の性能を示す指標として、次世代省エネルギー基準で地域ごとにC値の基準値が定められていましたが、2009年の改正省エネ法により気密性についてのC値の項目が削除されたため、現在は基準値が設定されていません。
1999年時点で基準とされていたC値は
◆北海道と東北の一部地域で2.0
◆その他の地域では5.0
この値よりもC値が小さければ高気密の家と言われていました。
セイコーハウジングのモデルハウスのC値は0.5です!
現在、住宅の性能を示すには、Ua値が利用されていますが、C値が1.0以下で高気密住宅と言われています。
詳しくは、ブログ記事「知っておきたい、健康に暮らせる「断熱性能基準」とは?」をご覧ください。
気密測定について
C値を知るには専用の機材を用いて測定をします!
測定を行うタイミングは、完成後ではありません!
建築工事の途中で行います。
セイコーハウジングの場合は、窓やサッシがつき、外張断熱や気密シートを張る作業が終えたところで、実施しています。
もしC値が1.0以下になっていない場合は、どこから空気が漏れ出しているのか、その小さな隙間を見つけて、気密テープを貼ったりコーキングの処理を行い、C値が目標数値になるまで作業を繰り返します。
ベテランのスタッフは、すぐにウイークポイントを見分けてます。シューという音でわかるのです。
前回は、あの場所がウィークポイントだったため、今回はその部分を重点的に…と
1軒、1軒、1つ1つの作業をを積み重ねてきた家づくりの経験が活かされます。
ですので、気密の数値は測定回数を重ねるごとに毎回良い数値が出ています。
つまり「C値を実測する」この経験を繰り返すことで、
気密性能が高い家づくりを目指すことができるわけです。
全館空調を可能にする「OMX」を導入するには、高断熱・高気密であることが大前提ですので、
気密測定は必要不可欠です!
YouTube公式チャンネル
「お家の構造をご紹介」気密・断熱 屋根編もぜひご覧ください。
気密性能が良いとどうなるか?
ポイント① 換気効率が良くなる
計画的な換気に気密性能は大きく影響します。
2003年の建築基準法改正によって住宅に24時間換気の設置が義務化されました。
24時間換気は「常時換気」と呼ばれ、換気システムが常に稼働しているため、家全体の空気を循環が常に行われている状態です。しかし、気密がとれていないと隙間から空気が漏れ、家全体の換気がうまくできないのです。 穴が空いた掃除機のホースでは、せっかく吸い込んだゴミが途中で散らばていきますよね…いつまでたっても綺麗になりません。
ポイント② 省エネで室内温度が快適になる
気密性が高い家は、エアコンの効きが効率的です。
気密がとれた家では、部屋から空気が漏れにくく、また外気も侵入しにくいため、冷暖房効率がアップします。また温まった空気や冷えた空気も外へ逃げることがないので、快適室内環境を長くキープすることができ、光熱費の節約にもつながります。
ポイント③ 壁体内結露を防ぐ
家が隙間だらけの場合、湿気がその隙間から壁の中や床下に入り込み結露ができてしまいます。カビの発生による健康被害が出たり、断熱材や柱などを大腐らせる原因となります。調湿作用のある壁や壁紙を使用することで湿度をコントロール工夫、また防湿気密シートを隙間なく適切に施工することが必要です。
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