「築50年を超えた家は、もう壊すしかないのかな…」
そんなふうに諦めかけている方も多いのではないでしょうか。特に築45年以上の旧耐震基準(1981年以前)の木造住宅は、耐震性はもちろん、建物自体の耐久性に不安があり、「リノベーションは難しい...」と思われがちです。
でも実は!
築年数が古い家でも、大規模リノベで現代の耐震水準に引き上げることは十分に可能です。しかも、平屋の場合は耐震性能の数値を大きく伸ばしやすいというメリットがあるのです。
今回は、弊社が徳島県内で現在施工中の平屋リノベーション事例をもとに、「平屋リノベが狙い目の理由」をわかりやすくお伝えしていきます。
【Before】リノベーション前の外観

【After】リノベーション後の外観イメージ画像

◎実は、平屋はリノベーションで耐震性能を上げやすい
築年数が古い建物には、「耐震性が心配」という不安を持つ方も多いのではないでしょうか。
特に1981年以前の「旧耐震基準」で建てられた住宅は、現在の基準と比べて耐震性能が満たされていないケースが一般的です。そのため、リノベーションを行う際には建物の状態をしっかり確認し、必要に応じて耐震補強を行うことが重要です。
弊社ではこれまで、旧耐震基準の住宅のリノベーションを数多く手がけてきました。
その際は、耐震診断の結果をもとに補強計画を立て、現在求められる水準に近づけるための耐震補強を行っていくのですが、平屋の場合、2階建てと同じ耐震補強を行った場合でも、耐震評価の数値が大きく向上しやすいという特徴があるのです。
その理由は主に3つです。
1)建物自体が軽いため、地震の力を受けにくい
地震の揺れが建物に与える力(地震力)は、建物の重量に比例します。2階部分がない平屋はそのぶん建物全体が軽く、揺れに対する負担が少ないのです。
さらに、重い瓦屋根を軽量な屋根材に替えるだけで、建物上部の重量がぐっと下がり、耐震性能の向上に直接つながります。
2)重心が低く、横揺れに強い
平屋は建物の重心が低いため、地震の横揺れに対して転倒しにくい構造をしています。2階建てと比べると、この点で構造的に有利です。
3)補強の効果が出やすい
耐震のために必要な「耐力壁」の量(必要壁量)は、平屋の方が2階建てより少なく済みます。つまり同じ補強工事でも、平屋の方がより高い耐震性能を達成しやすいのです。

◎リノベで耐震評価が大幅UPの訳とは?
今回施工中の物件は、昭和45年築の平屋住宅です。
耐震性能の目安となる「上部構造評点」は、改修前の調査で0.64という結果でした。0.64は「倒壊する可能性が高い」と判定される数値です。
上部構造評点の判定基準
・1.5以上:「倒壊しない」
・1.0以上1.5未満:「一応倒壊しない」
・0.7以上1.0未満:「倒壊する可能性がある」
・0.7未満:「倒壊する可能性が高い」
※上部構造評点の判定基準は、一般財団法人 日本建築防災協会『木造住宅の耐震診断と補強方法』に基づいています。
これを、今回改修後は2.02まで引き上げられるという結果が出ました。これは耐震診断で「倒壊しない」と判定される基準(評点1.5以上)を大きく上回る数値です。
◎具体的に主に何をしたのか?
① 屋根の軽量化
重い瓦屋根をガルバリウム鋼板へ葺き替えました。屋根が軽くなることで建物上部の重量が下がり、耐震評価の向上につながります。
「まさか屋根を替えるだけでそんなに変わるの?」と驚かれる方も多いのですが、平屋の場合はこの効果がとくに大きく出ます。
② 構造用合板による壁補強
外壁を解体するタイミングで、外周部に構造用合板を張って耐力壁を増強しました。構造用合板は建築基準法に定められた耐力壁の仕様で、通常の壁より高い耐震性能を発揮します。
ここで大切なのが、X方向とY方向のバランスを見ながら補強することです。

※間取り図の壁の周囲にある緑色の線と赤色の部分が壁の補強部分。
単に壁を増やせばいいわけではなく、片方向だけを強くしすぎると、かえってバランスが崩れてしまいます。
今回は外側から補強しつつ、バランスが取りにくい方向は内側からも補強を加え、建物全体で均等に地震力を受け止められるよう設計しました。
【おまけ】基礎は「状態を見て判断」
リノベで耐震施工と聞くと真っ先に【基礎の耐震施工】と考える方も多いと思います。しかし、今回の場合は現状の無筋コンクリートで耐震計算をし、壁の補強を決めています。
したがって、費用が多大にかかる基礎のやりかえをする必要がありませんでした。
意外に思われるかもしれませんが、基礎の状態をきちんと診断したうえで、必要な場所を補修はしつつ使える基礎は活かすという判断が、最適な選択になることも多いのです。
家づくりは建物全体のバランスを見ながら施工を行うことで、本来の家の性能を最大限発揮できます。
◎間取りも、設備も、現代の暮らしに合わせて一新
今回のリノベは、耐震補強だけではもちろん終わりません。耐震補強と並行して、断熱施工、間取りなども全面的に刷新しています。
もともとは昔ながらの和室中心の間取りでしたが、リノベ後はご夫婦と小さなお子さん2人の暮らしに合わせたLDK中心のコンパクトな間取りに生まれ変わります。

また、築50年以上の建物では水道管や電気配線の劣化も気になるところです。今回はリノベーションのタイミングで水道・電気配線も全面的にやり替えています。一度しっかり刷新しておけば、今後30年以上、安心して快適に暮らせるお家に生まれ変わるのです。
【Before】リノベーション前の内観
【After】リノベーション後の内観イメージ画像

◎まとめ
築50年以上の平屋でも「もう建て替えるしかない!」と決めつける必要はありません。
建物の状態をしっかり診断し、必要な耐震補強や断熱改修を行えば、これから先も安心して暮らせる住まいへ生まれ変わる可能性が十分にあるのです。今回の事例は、そのほんの一例です。
「この家もリノベーションできるのだろうか?」「中古住宅を購入してリノベしたい」そう思われたら、まずは一度セイコーハウジングまでお気軽にご相談ください。
◎ご見学・ご相談はお気軽に
今回ご紹介した平屋リノベーション現場では、8月上旬に構造見学会を開催予定です。
完成後には見えなくなる耐震補強や断熱施工などを実際にご覧いただける、貴重な機会となっています。
また、セイコーハウジングでは、個別相談制の「リノベーションカフェ」も随時開催しております。個別相談のため、周りを気にせず、ご自身の住まいについてじっくりご相談いただけます。
「この家はリノベーションできる?」
「中古住宅を購入しても大丈夫?」
「費用はどれくらいかかる?」
どんな家づくりの疑問にも、1級建築士が一つひとつ丁寧にお答えします。気になっていることを何でもお話しくださいね。徳島で家づくりやリノベーションをご検討中の方は、ぜひ一度、ぜひお気軽にご相談ください。
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