子どもには、できれば本物に触れさせたい

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子どもには、できれば本物に触れさせたい

とくしまエコハウス」に認定のおうち

元木:まず、H様の家は平屋ですよね。
平屋にしようと思ったのはなぜなんでしょうか。

奥様:結婚当初、親と同居していて。そのとき、3階建ての離れに住んでたんです。

3Fです から上下の移動をしながらの育児ですよね。
子どもを抱えて降りたり昇ったり・・・。階段が非常に苦痛でした。
そのあと、転勤を機にワンフロアのマンションタイプの家に住んだら、
すごくラクだったんですよね。それが平屋を検討しだしたきっかけでした。

元木:以前はどのようなお住まいに住まわれていたのでしょうか。

ご主人:鉄筋4階建ての4階に住んでいました。
特に夏場は最上階ですから、照り返しが強くて。とても暑かったと記憶しています。

奥様:断熱も何も入ってない、コンクリートの壁一枚だったので、
逆に冬場は壁から冷気がものすごく来るんですよ。

ご主人:気密がよくないんでしょうね。北西の風が強くて、
換気扇も勝手にまわってしまうような家でした(笑)。

奥様:窓ガラスの結露もひどかったですね。冬場はレースのカーテンが張り付くし・・・。
北側にキッチンがあったんですけど、キッチンの壁から結露していくんですよ。
家は、下の子どもが小学校に入学するまでに建てたいと以前から考えていました。
結婚当初からマイホームを建てたいという漠然とした思いはありましたし。
そこから考えると、かれこれ10年近く、家づくりについて少しずつ勉強して
いった感じです。

元木:以前は転勤で青森にお住まいだったんですよね。

奥様:はい。青森では展示場もたくさん見て回りました。
向こうは冬の生活を中心にしているので、断熱性能に対する要求がすごく高いんです。
断熱性能を上げるのは、冬場だけでなく、夏場の快適さにもつながるので、
家を建てるときも、断熱が基本になるとは思っていました。

 

 

元木:住宅会社をいろいろと見られたということなのですが、
そのとき、特に「こういう家に住みたいな」というイメージはありましたか。

奥様:はじめて行ったのは住宅展示場だったのですが、
そこは無垢の床だったり木の柱を使っていました。
建ててからだいぶ経っているらしいんですけど、使い込んでいくと、
傷や汚れも味になっていく。そういうところに惹かれました。
木の質感も気に入りました。子どもを育てながら、
「子どもにはできれば本物に触れさせたい」という思いもありました。
木のやさしさというか、そうしたものも感じてほしかったんです。

元木:今、お子さんはスリッパを履くことはないんですか。

ご主人:はい。スリッパを置いてないので(笑)。

元木:OMソーラーもあるし、無垢材の床だし。
だから、スリッパなしでも冬、床が暖かいんでしょうね。

 


 

元木:今回はOMソーラーを採用していただいたんですけど、
OMに決められた理由は何だったのでしょうか。

ご主人:自然の、太陽の熱をそのまま暖房に生かせる、
自然の恩恵を受けられるというので 、非常にいいなと最初に思いました。
確か10年前くらいに、他社さんでOMを使っている建物をはじめて見て。
そのときにOMソーラーを初体験しました。

OMソーラーの効果はいかがでしょうか。

奥様:なかなか表現しにくい、不思議な感覚です。
暖房を入れているポカポカ、変に暖房がききすぎているという感じではなく、
語弊を恐れずにいえば「寒くない」という感じです。
でも、その「寒くない」、自然なあたたかさだけで十分過ごせるんですよね。

ご主人:
実はこの家は、廊下を挟んでリビング側のOMソーラーが入っている部分と、
廊下の向こう側のOMソーラーが入っていない部分に分けてもらってるんです。
だから、なおさら実感しやすいのかもしれませんが、
冬場、リビングから廊下の向こう側に行くと全然温度が違うんですね。

   

 

元木:あと、OMソーラーについて、一般的に心配されるのは、
「OMは晴れてるときはいいけど、雨が降ったらどうなの?」
という点だと思うんです。この点はいかがでしたか。

奥様:そうですね。1日2日くらい晴れてない日があっても、
おそらく基礎からあったまってるのかもしれません。
前の日のぬくもりが残っているのか、たちまちすごく寒くなるということはないです。
これも廊下の向こうの部屋とリビングで比べられるので、すごく実感できました。


元木:H様の家は断熱性能も高いので、なおさらそう感じられるのかもしれませんね。

奥様:夏場も快適です。前のマンションは帰宅したら、コンクリートですから、
家が暑かったんです。天井に手をかざしたら上から熱がもわんと感じるくらい。
それが新しい家は、ドアを開けて家に入った瞬間、外よりも涼しい。
日中の一番暑い時期でも、あまり外の温度の影響を受けにくい感じです。
冷房の効きもよかったです。
冬場も、床が冷たくないので、ちょっと肌寒いと感じたら、
少しエアコンを入れるだけで十分間に合う感じですね。

  

 

元木:当社と出会って、プラン、打ち合わせをさせていただいたと思うのですが、
間取りの中で、ここがポイントだとか、特に気に入っているところを
教えていただけますか。


奥様:
中庭がすごくいい位置にあって。
玄関入ってすぐに、中庭の木が見えたり。和室から浴槽から、
三方から中庭の景色が取れるのがすごくよかったですね。


元木:
中庭をとることで、2方向の採光が取れる。浴室もいい感じですよね。
お風呂に入りながら景色を見られたりね。
中庭をとることで、気持ちのいい風も入ってきますしね。


奥様:
2箇所ある洗面台も気に入ってます。
一般的には脱衣所に洗面台があると思うのですが、LDKの中にもう1つ設けているので、
非常に便利です。子どもがちょっと手を汚したとか、学校から帰ってきてすぐ手を洗う
というときに重宝していますね。そのすぐ後ろにクローゼットを設けているので、
上着などをかけてそのまま手を洗う。その動線がスムーズですね。

元木:お子さんはどこで勉強されてるんですか。

奥様:ダイニングの奥にあるスタディコーナーですね。
小さい間はどうしても親が宿題を 見ることが多いので、
前の家のときも、結局、ダイニングのテーブルで勉強を見てました。
それで「親がいる近くで勉強されるコーナーがほしい」って。
ゆくゆくは大きくなって、自分たちの部屋で勉強するんだろうけど、
そのときは自分の趣味でも使えるので便利だろうなと。

元木:玄関も家族玄関を設けられてますよね。

奥様:はい。どうしても子どもたちは脱ぎ散らかしてしまうし、
自分たちもバタバタっと出て行くし。でも、家族玄関があれば、
急な来客が来たときに慌てて片付けなくていいので、ラクですね。

元木:実はご主人、建前のときに、一緒に手伝ってくださったんですよね。
大工さんと一緒になって柱を立ててくださったり、外壁の杉板もご主人が塗装されたり。
家づくりに参加された感想はいかがですか。

ご主人:やっぱり人任せではなく、自分が少しでもたずさわっているので
愛着がありますね。職人さんには迷惑だったかもしれないですけど(笑)。
外壁の塗装も足場があるうちに塗らないといけない。時間が限られてるので
大変でしたけど、楽しかったよね。

奥様:透明な塗料だったので、失敗しても目立たないんです。
あえて塗りやすいものを選びました。
ゆくゆくじぶんたちでメンテナンスをしていく予定だったので、
それなら、はじめから自分でしてしまえと。

ご主人:自分たちで塗ることによって、約30万円くらい節約もできたんです。

元木:材料代だけになりますからね。それは大きいですよね。
それに、建てた思い出、作る思い出は一生に一回のことやからね。

 

 

元木:計画する中で、当社でエネルギーの性能評価もさせていただきました。
事前にシミュレーションさせていただいたんです。
こちらはCASBEEという、国が決めた基準なんですけれど、
それをチェックすることによって、家のエコ具合がわかるんです。
これもH様と話しながら、やっていきました。
エネルギー評価をご覧になっていかがでしたか。

奥様:環境にどれだけ優しいかがよくわかりました。
よくいろんなメーカーが「エコ住宅」っておっしゃるんですけど、
ただ、「どこがエコなのか」ですよね。数値になっていれば、
こういうところで環境に貢献できているんだとハッキリするので、
わかりやすかったです。
オール電化でIHで、夜間の電気を使えば、確かにエコ―「エコノミー」なんですけど、
電気をたくさん使ってる。それでも本当にエコ=エコロジーになるのかとか。
きちんと計算した結果だったのでよくわかりました。

元木:ちなみにCASBEEの評価ですが、5つ星がついています。
これは最高ランクなんです。「Sランク」といって、
快適度と環境への優しさのバランスが一番いいということです。
あと「ライフサイクルCO2」という数値も出ています。
建物を作ってから壊すまでのCO2の度合い、その量をはかっています。
これからはこの数値をゼロにしていこうという動きがさらに強まってくると思います。
H様の家は太陽光発電もつけられていますが、電気代はどんな感じでしょうか。

奥様:あまりもともとエアコンも使わない生活をしていたので、
今の冬場の時期でも6000円くらいです。IHと照明、暖房でそれくらいです。
ちょうど太陽光発電の売電で相殺されてますね。
ただ、お湯はガスです。9月10月くらいまではこれも2000、3000円くらいでした。
寒くなってくると、12月、1月は、1万円くらいです。
これからは日が長くなってくるのでガス代もかからなくなってくると思います。

元木:ガスにされたのはオール電化に対する疑問というか、
環境のことも考えられてのことなのでしょうか。

奥様:震災の後に建てた家だったので、いつまでも深夜電力があるのかも疑問でした。
それにOMソーラーの「お湯とり」もあります。太陽の熱でお湯を作る。
それでも足りない分は、その都度必要な分だけ沸き足したい程度だったので。

元木:深夜電力は今は安いけれど、いつまでも安いままでいけるとも限らないですしね。
電気代は確実に上がる傾向にありますし、すごく難しいですよね。
H様、本日はお忙しい中、インタビュー、ありがとうございました。